VE後の施行者決定ミーティング 3月23日

見積もり査定後、4社から2社に絞った工務店さんと減額打合せを2週間ほどおこないました。その結果を受けて、ビューティ岡本の悦美社長と、娘の丸茂さん、水野、穂積、僕(Yoshi)で、渋谷セルリアンタワーでミーティングを行いました。

実は3月10日の夜、大震災の前夜、目黒のバーで、水野、三谷、多田、僕の4人で朝の4時頃まで飲んでいました。「いえつく5」など議題はいろいろあったのですが、朝までみんなの話題を盛り上げたのは「いえつく6」のこんな話でした。

ビューティ岡本にとって「いえつく6」は、約300坪の土地に新たな美容室をつくる大きな事業です。その事業の中で建築は事業を成立させるうえでの手段の一つであって、僕らはこの事業の本質を十分に理解する関係にそれまでになっていました。
僕らは施主と建築家という関係を超え、人間としてというか友人として、ビューティ岡本と付き合うようになっていました。パーティーに呼んでもらったり、東京でお食事をしたり。単に建築の設計とわりきって、この計画を進められなくなっていました。ですが、建築以外に何かパケージの提案や、PR施策、つまりソフトの部分で協力するという単純なものでないことも分かっていました。

僕等がお願いされているのは、建築の設計である事は変わらないのですが、ビューティ岡本で働くスタッフさん全員に、僕達が、どんな気持ちで新富士宮店を設計し、空間を定義しているのか?を伝え、スタッフさん1人1人が、今後お店で働いていく中で、お店の経営や働き方を考えてもらう機会をつくり、日々の業務改善のアイディアがスタッフから自由にでてくる環境を整備する事が重要ではないかと話し合いました。どんな緻密に建築がデザインされていても、建築では、できない領域があるとして、そこに触れてみてはどうかと。そんな話で朝まで語り合った日の午後にあの震災がおきました。

震災後、しばらくプロジェクトはストップしていましたが、23日に渋谷でミーティング再開となりました。まず、4社から絞った2社の工務店についての比較表を見ながら、金額、見積の適性度、内訳の比較などを水野から説明しました。これについては、岡本社長の人の繋がりを大事にする思いで葛藤があり、一旦は結論を持ち越しました。

その後、僕達が震災前日までずっと話あっていた葛藤をある程度お話しし、「いえつく」+「ビューティ岡本スタッフ全員」で、これからのビューティ岡本について話し合いをする合宿を実施したい と提案しました。
合宿のアジェンダは下記3点。

  • 新富士宮店の建築のコンセプトを全員に知ってもらう
  • 新しい人員体制をみんなで話しあう
  • 新サービスや改善点等を話しあう
  • この提案を即答で受け入れてくれる、岡本社長の器の大きさに感動して、この日のミーティングは終了。

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