2011年2月 のアーカイブ

見積り査定結果報告 2月28日

2011年2月28日 月曜日

「いえつく」内での見積もり査定後、岡本社長に4者の査定結果を伝えるミーティングを持ちました。沼津店の施工でお世話になった鈴木工務店さんと、F社の2社に絞り、両者の差を説明しました。実績と信頼からの鈴木工務店と、透明で明快な見積もりを作成したF社。

僕達の活動は、営利目的の為の活動ではありません。ビューティ岡本が新店舗を計画し明るい未来を描ける一つの手段として、どの施工者がベストかを、全ての偏見をマッサラにして僕達は査定しました。「いえつく」が強く推したのはF社です。理由は複合的ですが、透明でしっかりした見積もりを作成して頂いた上、コストも一番安く、見積もり根拠も明確だったからです。良い建物を適正な値段で施工して頂ける可能性が高いと判断しました。

しかし、岡本社長は沼津店でお世話になった山本所長への圧倒的な信頼感から、大いに迷っていました。結局この日は結論見送りとなりました。

この結論見送り後、「いえつく」の中でいろいろと議論しました。

  • 今まで通り、岡本社長の感性/直感を信じ、工務店選定や新店舗経営のジャッジを一任するのか?
  • 未来のビューティ岡本を担うスタッフを参加させたジャッジを行うのか?
  • 僕らが請け負ったのは、単なる店舗の設計なのか?それともビューティ岡本の明るい未来の計画を含んだブランディングなのか?
  • 新店舗の設計に深く関わっている身として、おこがましい話だが、事業計画も含めた経営的なジャッジに口を出すのか?
  • 実際、ビューティ岡本のWEBサイトのリニューアルも僕(Yoshi)が行うことになり、この頃から 水野、穂積、僕で何度も夜な夜なの議論が増えてきました。

    質疑と見積もり 2月7日~27日

    2011年2月27日 日曜日

    設計者の図面/現場説明の次は、施工者さんからの質疑の期間です。見積もりをご協力いただいている施工者さんから、我々設計者に、図面や不明な点などについての質疑が届きます。実はこの質疑で、施工者の真剣度がわかってしまいます。図面をしっかり見ている会社とそうでないところでは、質疑の質も量も雲泥の差なんです。そしてこの差は現場に入った後には施工の精度にも表れてくると感じています。各社で情報格差がないよう、4社の質疑を共通フォーマットに載せ、お返しします。こちら側も公正な競争となるよう配慮します。何のしがらみも無い週末建築活動であるからこそなお公正に。

    質疑が終わり、いよいよ見積もりが出てきました。同じ情報をもとにして見積もりをしているのですが、1番高いところと1番安いところでは、約1,000万円の開きがありました。僕らの図面の不備ももちろんあるのですが、単価や数量、そして経費などが大きな差となって現れます。各社の見積書(ちょっとした雑誌くらいの厚み)を4冊分、丹念に読み込み、見比べていきます。

    建築設計は、図面描きもそうですが、見積もり査定のような地味な作業の積み重ねがとても大変です。出来上がった建築の華やかさを見ると、そう言った地味な作業は嘘のようですが、業務の80%はそういった地道な作業の積み重ねで、スケッチを描いたり、模型を眺めて議論したりと一般的なイメージの設計業務は、残りの20%くらいでしかないように思います。

    こういう地味な地道な作業を、石畠(Yoshi)は「いえつく」では全くやらないので、というか Yoshi の仕事は visionary thinking だと大きな事をいってごまかしてるだけなのですが。広告制作の仕事も実は地道な仕事多いんです。ほんとにそうなんです。ただ人が死なないのでチェックも準備も甘いだけなんです。

    水野が日建設計学んだことの1つに、そういったデザイナーから敬遠されがちな地味な作業も、むしろクリエイティブに繋がるものであり、そこからコントロールすることで、表層のデザインで終わらない確かなものがつくれるという事があります。しかし、重要なのはもちろん80%のその時間を効率化し、クリエイティブな20%の時間ををいかに大きくし、濃密なものにしていくかです。

    見積書は単に安いところが良いわけでもありません。図面との整合がとれていなければ、それは契約後現場に入ってもめる原因となります。適正価格で最大限に良い建築を考えることが、プロとしては重要かと思います。

    施工者さんをチェックする力を作用させるためには、やはり設計と施工は分けるべきです。設計施工一括にすれば、たいてい設計料は不要で安く感じるとは思うのですが、しっかりした建築家に仕事を頼めば、見積もり時点での査定やVEで、設計料など元が取れてしまうので、圧倒的に施主にとってメリットがあると考えます。

    約1週間かけ、見積書を読み込み、各工種内訳の比較、単価の確認、4社の比較表を作り上げました。これで、岡本社長に施工者選定のアドバイスをすべく報告に上がります。

    現地工務店説明会 2日目

    2011年2月6日 日曜日

    7時起床、準備をし、穂積と水野は現場に向かう。9:00から順番に施工者にお会いし、説明をしていく。11時頃僕も合流。家族と庭でくつろぐ。


    ▲工務店さんを待つ間に、駐車場のプランを考える水野

    複数社共通の声は
    ・築40年の建物としてはしっかりしている
    ・配管はやり替えた方が良いと思う
    ・雨漏りは心配なさそうだ
    ・図面がしっかり描かれているから助かる(嬉)

    図面としては、たっぷり描くことには描いたが、正直間に合わない部分もあったみたいだし、不十分な出来のままこの日を迎えていたというのが水野の感想。それでも、ある施工者からは「改修物件の場合、図面なんてあってない場合が多いのでこれは助かる」と。水野と穂積、笑みが溢れる。15時には無事すべての工程を終え、東京へ帰る。ようやく建設に向けスタートが切れた。


    ▲手入れできてないので、ちょっと荒れてる庭

    石畠家族は、せっかくの機会なので、富士宮から身延線で甲府までいき、それからアズサで新宿に帰りました。

    現地工務店説明会 初日

    2011年2月5日 土曜日

    工務店さんに見積もってもらう為の図面、なんとか完成し、なんとかこぎついた現場説明会。4つの工務店さんに参加してもらう事ができました。感謝。説明会は、6日(翌日)なのですが、穂積、水野、石畠家族(奥さんと子供)で前日入り。それぞれ別行動。

    穂積は、富士宮でスナックと言えば「ソワール」の店主マキさんと、社長、丸茂(社長の長女)と4人で、富士宮店で使えそうな古い蔵の引き戸をみたり、浅間大社周辺の都市計画や歴史をヒアリングしたりと有意義な時間を過ごす。ソワールのマキさんから、僕ら(いえつく)を富士宮市長に紹介する。と断言され戸惑う穂積。その後、測量事務所に寄って高低測量のポイントを確認。偶然測量屋さんが社長と同級生だったので、話が盛り上がる。穂積は横でニコニコしながら相槌をうつ。

    夕方、沼津店で穂積が水野と合流。基本設計図をもとに、丸茂さん、社長に内容を説明。今後はCGを用意することや、外構を中心に話をする。次に、見積もり要綱について説明。明日の現地での説明会のスタンスを再確認。工務店にとってタイトすぎるスケジュールなので、向こうの提案も聞きつつ締め切りを調整することで合意。資料を整え、旅館へ。ここで石畠家族と合流。石畠家族は、水野、穂積がいろいろ準備している中、富士宮観光をしていました。


    ▲のんきに富士宮観光する石畠と帆高(5ヶ月)

    そしてソワールへ。ビューティ岡本のスタッフさんと、僕らで、たくさん飲み、そして唄う。門限の12時に旅館に戻り、引き続き3人で飲む。いえつく5について語り合い気絶するように眠る。


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